うべまるくん「僕が宇部丸うどんの説明をしていくよ!」

うべまるくんについて

名前・・・・・・うべまるくん
年齢・・・・・・8才
大好物・・・・・宇部丸うどん
特技・・・・・・缶蹴り、竹馬
座右の銘・・・・毎日が宝

うどんって美味しいなぁ するする食べれて何杯でもいけちゃいそう! あれ、そういえばこの前旅旅行先で食べたうどんはもっとコシがあって、もっと太いうどんだったような… でも、僕やお父さん、お母さん、お友達もいつも食べるうどんは細くて柔らかいんだろう お母さんが作ってくれるのはいつもこの「宇部丸うどん」だ。 どうしてだろう?

宇部丸うどんについてもっと知りたい!!

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炭鉱の街で働く人々に好まれた丸うどん

木嶋製麺所が創業した山口県宇部市は、古くは炭鉱の街として栄えた時代がありました。宇部の丸うどんは細めで麺線の形状が丸麺に切出してあり、口にした時の食感がソフトで喉越しが良く、食べ易いと当時から人々に好まれてきました。街のうどん屋さん、大衆食堂から家庭の食卓、学校給食まで多岐に渡り、今まで食べ続けられてきた宇部丸うどん。云わば、郷土のソウルフードとも言える食べ物となりました。(炭鉱画像提供:宇部市)

02

宇部丸うどんの特徴

弊社の作る宇部丸うどんの特徴は、まずその形状にあります。讃岐うどんなどの手打ちうどんは、小麦粉を水で捏ねてのばし、広げた生地を包丁で切ります。切った断面が「角」となって四角い形の麺線となります。一方、宇部丸うどんは、機械製麺により麺線が丸い形状となるように切歯で切出しますので断面が丸い形状となります。

また、麺線にした後にも特徴があります。それは、茹で方と茹で時間です。弊社独自の移行式の茹で釜で20分間ゆっくりと横に移動させながら茹でていきます。釜の中のうどんが均等に茹だるように職人がゆっくりと混ぜながら茹でていきます。職人はその間、ひと時も離れることなく茹で具合をチェックしながら混ぜ続けます。

宇部丸うどん

画像:宇部丸うどん断面イメージ

見ての通り、角の無い断面が丸い形状が特徴。これをゆっくりと茹でることで型崩れすることなく均一に茹でられた柔らか目のうどんができる。

手打ち風うどん

画像:手打ち風うどん断面イメージ

讃岐うどん等の手打ちうどんと一緒で包丁切りの「角」があるので値打ち。しかし、創業当時の機械製麺の技術では、その角を生かしたまま綺麗に茹でることができなかった。

他の地域の麺と比べても、その違いは一目瞭然です。

03

木嶋製麺所と宇部丸うどん

左のモノクロ写真を見てみましょう。扉の付いていないオート三輪の前でハンチング帽を被って寝そべっているこの男性こそ(有)木嶋製麺所の創業者、木嶋源治その人です。彼は大正7年生まれ。7年間の兵役と1年間の南方での抑留を帰国し、まさしく裸一貫でスタートを切りました。彼ら、戦前戦中派の人々は自らの青春時代を犠牲にし、何も無いところからこの国の荒廃を克服してきました。云わば、戦後日本の繁栄の基礎を築いてくれました。

そして木嶋源治が、裸一貫のスタートに選んだのが製麺業であり「麺を作る」ことだったのです。創業当時、山口県宇部市には同業者が弊社を含めて14軒あり、その中でも弊社は1番後発でした。

(有)木嶋製麺所 初代 木嶋 源治
木嶋製麺所 二代目 木嶋 明宏
当時配達に使っていたホロ付きの三輪車

当時から宇部市近辺の製麺所の作るうどんは「丸うどん」でした。その丸い断面には理由があります。
一つ目は、当時の自動化・機械化が進んでいない時代に「街の小さな製麺所」が効率良く手作業でも作り易かったのが「丸うどん」であったとういうこと。
二つ目は、きれいな形に茹でることができたということです。一般的な四角い手打ち風のうどんはまず角(カド)から茹だっていきます。エッジの効いた角が値打ちですが、手作業の工程が多かった当時は、茹で上がり前後で角が取れ易く形が崩れてしまいがちで、美しい角の立ったうどんを作ることが難しかったとされています。丸うどんはその点、周りから均等に茹だっていき、もともと角も無い為、型崩れの心配も無く作ることが出来たのです。

04

宇部のソウルフード

宇部市の食文化には宇部丸うどんが深く関わっています。宇部丸うどんは昔から人々の間で親しまれてきたソウルフードなのです。現在、宇部丸うどんは主にうどん屋さんや食堂で味わうことができ、スーパーでの購入も可能です。

ツルッとした喉ごしで食べやすいうどんは宇部丸うどんならではです。一口すすれば優しい味が体に染み渡ります。みなさんもぜひご賞味下さい!

宇部丸うどんを全国へ

例えば、香川県特産の讃岐うどんは太くて四角くコシが強い、宇部市周辺では珍しい食べ応えのあるずっしりとしたうどんです。また、手延べ製法の干しうどんで、つるんとした食感の秋田名産稲庭うどんは喉越しの良い細手のうどんです。このようにうどんにも各地の人々に古くから親しまれ食べ慣れてきた形状や太さ、食味、食感があります。
宇部丸うどんは適度な太さの丸麺で、茹で戻しに時間が掛からずふっくらした茹で上がりで喉越しが良く、毎日食べても飽きがこないうどんです。噛み心地もソフトで食べ易く、現在は市内の病院や介護施設の食事は丸うどん指定ですし、小児の離乳食としても代用されています。全国的にみてもこの食感・形状のうどんは宇部市周辺だけの地域的なソウルフードとなっています。これからも宇部丸うどんを宇部の隠れた逸品として地元の方はもとより市外県外の方にも是非食べて頂きたいと思っております。

画像:宇部丸うどん